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2025.10.7

令和6年度 第32軍司令部壕詳細調査の結果について

令和6年度の詳細調査としては、「未発掘区間調査」「第1坑口周辺の試掘・表土除去」(令和7年2月6日記者発表)、「第5坑口周辺の試掘・表土除去(令和7年4月25日記者発表)」を実施しました。

【未発掘区間調査】

首里城の木曳門付近及び西のアザナ付近の2地点(R6-B1、R6-B2)でボーリング調査を実施しました。
調査位置や調査結果、それらの解析について、以下のとおり、資料を掲載いたします。

資料1:調査位置及び第1坑道推定位置
資料2:未発掘区間の調査結果
資料3:調査結果の解析とりまとめ

【第1坑口周辺の試掘・表土除去」(令和7年2月6日記者発表)】

令和5年度調査で確認された坑道の床面を中心に、その周囲を掘り進めました。
その結果、坑道内部から外側に向かって広がる床面と、左右に壁面が出土しました。
また、新たに出土した床面の上に多数の床板が敷き詰められていたことが今回初めて確認されました。

今回出土した床面や側壁などの遺構は、戦中の米軍による調査や過去の調査でも確認されていませんでした。
特に、今回初めて床板が確認されたことから、第32軍司令部壕当時の様子を知る上で貴重な戦争遺跡の発見であると考えています。

【第5坑口周辺の試掘・表土除去(令和7年4月25日記者発表)】

令和6年度の調査の結果、第5坑口において新たに石積が発見されました。

発見された石積は、壕の出入口正面に構築されており、左右に通路が延びています。
特に正面の石積は、目隠しの役割を果たしていたと考えられます。
これにより、第5坑口の前面は、外部からその存在を隠すため、複雑な構造になっていたことが明らかになりました。

また、この石積はレールの上に積み上げられていることから、壕の掘削時にはトロッコを利用して掘り出した土を運び出していたことがわかります。その後、壕が完成した後にレールを埋め、目隠しの石積みを坑口に構築したと考えられます。今回の発見により、坑口部の構築手順も判明しました。

これらの発見は、これまでの文献調査や聞き取り調査では知られていなかった事実であり、発掘調査の大きな成果であると考えています。

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